何が楽しいのか?
それは真空管だからです。あなたのスマホが真空管ラジオサウンドに変身!!
上の写真は、スマホのラジオアプリの放送を本機を通して真空管ラジオで聴いているところです。(写真スペースの関係上真空管ラジオの上に載せました)
家に真空管AMラジオがあるなら、
スマホの「radiko」や「らじるらじる」「YouTube」の音楽などをAMトランスミッターで電波を飛ばして、真空管ラジオで聞いてみるのも楽しい!
ということで、昔からある定番5級スーパーラジオの発振回路を利用したAMトランスミッターを製作してました。
スマホアプリ「radiko」や「NHKラジオらじるらじる」またYouTubeアプリや音楽をブルートゥーススピーカーなどで聴いている方は多いと思います。
音質もよくや重低音もでるアクティブスピーカーやお風呂に持ち込めるタイプもあって便利ですね。
しかし、スマホを生かす楽しみ方は他にもあります。
それがAMトランスミッターで飛ばし、レトロな真空管ラジオで聴くという楽しみ方です。
ということで、昔からある定番5級スーパーラジオの発振回路を利用したAMトランスミッターを製作してみました。
欠点を先に言います。
①音質はAMラジオそのもの。FM音質にもかなわない。受信感度によっては雑音がはいる。
②ステレオではなくモノラルになってしまう。
今度はいい点
①なんといっても真空管サウンド!レトロ真空管ラジオサウンド!
②やがて来る民放AM放送終了した後も、真空管AMラジオがつかえる!
目次
【定番】真空管ST管6WC5(MT管6BE6)を使ったAMトランスミッター回路図
前段に6ZDH-3Aを入れています。すべてラジオ球です。
画像をクリックすると拡大してご覧いただけます。
水魚堂の回路図エディタびーすけ 用の上記の回路図はこちらからダウンロードできます。編集可能です。 水魚堂様のWindows専用のBSch3V をインストールすると読み込めます。
余計なものがついてます。モノラルアンプです。切り替えで使えます。
電源トランスが並四用で40mAあるので、もったいないからラジオ球6Z-P1をつけてしまいました。
スマホを、直接このモノラルスアンプで聴けます。
切り替えてもヒーター電流は流れています。スタンバイ状態です。切り替える前に電源を切って6WC5を抜き取ればいいだけのことですが。
AMトランスミッター外観
ラジオと見間違える外観です。
無駄の極みの自作AMトランスミッターです。
「真空管ラジオの周波数表示器」を付けました。受信するラジオの周波数の目安とするためです。(本来は、ラジオ側につけるものです。)
ラジオのツマミを回してチューニングし音が聞こえてきたら、表示器の電源は切ります。必要ありませんから。
祐徳電子さんで完成版を購入しました。https://yutokudenshi.com/ 「LCD TYPE AM / FM 周波数表示器 UNIT(実装完成品)( ZHW-394 )」
祐徳電子さんのサイトの商品ページには以下の説明があります。
「本表示LCD TYPE AM / FM 周波数表示器 UNIT(実装完成品)( ZHW-394 )器は、ラジオ工作web site 「 RADIO KIT IN JA 」 のデザインにて、弊社PCB製作したものです。」
内部配線画像
(画像をクリックすると拡大してご覧いただけます)
2.5mHのRFC(高周波チョークコイル)を使っています。今では真空管用のものはなかなか入手できません。今回使用したものは、たまたまヤフオクで落札したラジオについていたものです。
PD(パッディングコンデンサ)がついていますが、必要ありません。(シャレです)
「外部スピーカー接続用モノラルジャック」付きです。スイッチ付きジャックです。外部スピーカーを繋ぐと、本体のスピーカーは切れます。
トランスミッター(電波を飛ばす)の基本回路と部品のお話
昔のラジオ雑誌をもとに書いたものです。
水魚堂の回路図エディタびーすけ 用の上記の回路図はこちらからダウンロードできます。編集可能です。水魚堂様のWindows専用のBSch3V をインストールすると読み込めます。
当時のラジオ少年たちが作ったラジオの部品を使いまわせるようになっています。
その大事な部品として欠かせないのは、
OSC(局発コイル)とRFC(高周波チョークコイル)です。
ただし、RFCが理想ですが、なければ抵抗10kΩ(1/2w)で代用できます。
OSCにより発振して電波を飛ばすというわけです。その際、入力信号(音声信号)により変調がかかって電波が飛びます。
VC(バリコン)を動かして放送局のない周波数でラジオが受信できるように調整する仕組みとなっています。
ラジオ周波数表示器をトランスミッターにも使って送信目安に
AMトランスミッター周波数表示目安1272KHzに対し、ラジオは1722KHzで受信: 1722-1272=450Khz 大体455KHz
(ん?MWは1600KHzまで?)
AMトランスミッター周波数表示目安1186KHzに対し、ラジオは1643KHzで受信: 1643-1186=457Khz だいたい455KHz
この表示器を修正する設定ができれば、ラジオ周波数と一致して便利でしょうね。
バリコンをトランスミッターで使うと面白い
トランスミッターは、本来、一度ラジオが受信して聞こえる周波数を覚えていれば、次回に使うときは、バリコンを動かす必要はないです。
製作するとき、バリコンをつかわず一般的コンデンサかトリマーコンデンサで十分です。
されど、バリコンがあると、ラジオのツマミを回して放送を受信するという楽しみというのが味わえるということでしょうか。
意図的にトランスミッターの飛ばす電波の周波数を変える遊びですね。
昔でいうワイヤレスマイクです。
局発コイル(OSC)とバリコンまたはコンデンサ組み合わせ例
以下、理論(理屈)抜きで書いています。(当方、理論物理学専攻でした。しかし理屈は苦手です。)
AMラジオで受信できる周波数の範囲内(526.5kHz~1606.5kHz)で電波をとばす必要があります。
しかも公共の放送をしていない周波数となると、高い周波数で受信がベターです。
そこで、入手できる局発コイル(OSC)とバリコンまたはコンデンサの組み合わせを調べてみました。
以下、古いラジオ雑誌などで紹介されていた例も含まれます。
①5級スーパーラジオ用の2連バリコン(片連のみ使用450pF))と5級スーパーラジオ用の局発コイル(110μF)...今回の製作
上の写真で1643KHzで受信の時のバリコンの容量は、約83pF(実測値)でした。
②並四の単連バリコン(340pF)と5級スーパーの局発コイル(115μF)
こちらは単連なのでコンパクトに製作できます。
バリコンの羽をかなり抜かないと1500kHz以上で受信できませんでした。再度確認必要あり。(その時の容量は未測定)...近いうちに再度この組み合わせで製作してみようと思います。
入手先は、ヤフオクです。
どちらの出品者様も常時、出品されています。
このコイルは自作されているとのこと。「NPO法人ラジオ少年」で古くからある巻き線機というのが販売されていました。こういうので製作されるのでしょうね。(2021年現在は塗装はされていません。)
③ 並四ラジオのコイル(265μF)と並四ラジオバリコン(340pF)
以下の雑誌「初歩の製作技術(初歩のラジオ別冊)」に製作例が2例にあります。
だた並四コイルのEの端子は一つで2本つながっているので切り離す必要があるのが欠点です。
p???ではなくAです。ALかASかは製作してみないとわかりません。
もう一つの例は、12AU7を使った見た目は単球再生ラジオそっくりです。(豆コンは使いませんが)こちらはコイルのEを切り離さずそのまま使用します。製作してみたいものの一つです。
以下はバリコンではなく半固定となりダイヤルを回す遊びはできませんが、シンプルかつコンパクトに製作するにはいいなと思います。
④ パッディングコンデンサPD(PADDING150pF~1200pF)と局発コイル(110μF)
PDの調整(ネジ部分を回す)適正な周波数を飛ばせるかは未実施です。
下の2つは、ヤフオクで別のものを入手したした際に、自作物を付けていただきました。トリマーとパラで入っているコンデンサの容量変更が必要かも?
⑤ 真空管用BC帯局部発振コイル(220μH±30μH)とコンデンサ(100pF)
祐徳電子さんで販売されているコイルです。https://yutokudenshi.com//
「NPO法人ラジオ少年」様で頒布されていた「AMワイヤレスマイクキットTX-1」のOSCと同等のものです。(コンデンサ100pFはついていません)
コアを回すと飛ばす周波数が調整できます。
「親子バリコン(290pF+120pF)に対応」ですから、これと組み合わせるのも面白いかも。
こちらも祐徳電子さんで販売されているOSC局発コイルです。
「真空管用BC帯局部発振コイル(115μH±30μH) 」です。(430pFのシルバードマイカコンデンサー付)
「標準の430pF2連バリコンに対応」とありますから、これとの組み合わせもいいですね。
真空管AMトランスミッター(ワイヤレスマイク)製作の参考になる本
「実用真空管ハンドブック」
今回の製作のもとになっているのは、この本の6BE6のページに載っていた回路図と説明を参考にしました。
このページでは、PD使用です。
この本は、真空管規格表ではなく、回路図ととも実用的な使い方が優しく丁寧にかかれています。
「初歩の製作技術(初歩のラジオ別冊)」
トランジスタと真空管の両方でワイヤレスマイクとトランシーバーの製作記事がこれでもかと載っています。
今となっては、トランジスタの製作の方が部品集めが大変です。
真空管としては、6BE6ものと12AU7双三極管もの製作記事が大変参考になります。どちらも並四コイルと並四バリコン使用しています。
「初歩のラジオ 1951 1月号」
昭和26年、この時代はS日本ではST管が主流でした。6WC5を使用しています。前段は6C6、コイルは自作でパッディングコンデンサでの製作です。
「初歩のラジオ 1952 4月号」
6WC5単球での製作です。並四コイルと並四バリコンを使用しています。
真空管自作のための部品入手方法
完成品は?キットは? 真空管のものは海外ものではあるようです。6X8という真空管を使用しています。海外サイトのほかヤフオクで検索すると見つかります。
祐徳電子さん https://yutokudenshi.com//
NPO法人ラジオ少年が一般頒布を終了した今、祐徳電子さんで購入となります。
OSC局発コイルと20mAの小型電源トランスがそろいます。ラジオ少年と同等品です。
6ZP1モノラルアンプ部で使用した10cm スピーカー取り付けパネル もこちらで購入しました。
フロービスさん http://www.furo-visu.com/
365pFの2連エアーバリコンとバーニアダイヤルがそろいます。(バーニアダイヤルこちらで購入しています。格安ですし金具付きで便利です。)
ヤフオク
ひたすらチェックすることでしょう。真空管はもちろんコイル、バリコンも結構出品されています。
★今回使用した並四ラジオシャーシ
長野ハムセンタ-さん http://www.hamcenter.co.jp/
サイトに「ミズホ通信さんで販売していた5球スーパー及び並四用シャーシの販売を、当社にて引き継ぎました。」とあります。
関連記事はこちらです。https://vacuumtuber.com/2020/03/04/post-677/
アルミシャーシとして、私はリードのSシリーズをよく使っています。
こんど、S-9のサイズぐらいでコンパクトに作ってみようと思います。
まとめ
AMトランスミッター製作記事の第一弾です。今回欲張りすぎました。次回は、小型電源トランスにしてシンプルに製作したいと思います。
真空管ラジオにはPUというのがついているものもあり(写真のサンヨーSS-48ラジオはついています)、本来はレコードプレイヤーを付けるのがメインでした。そこにスマホを繋いで聴く方法もあります。
でも、この方法は、真空管ラジオのアンプ部分(低周波増幅回路)を使っているだけのことなので、ここで製作した余計な部分の6ZP1か42のモノラルアンプとして使っています。
AMトランスミッターの面白い点は、ラジオのツマミを回してあたかも放送局を受信するのと同じこと「放送局ごっこ」が楽しめることでしょうか。
あとは、真空管ラジオの受信感度がイマイチよくないとき、トランスミッタでスマホのradikoなどを飛ばす手段としてです。これはこれで聞き逃し放送も聞けるので便利です。
さて、現在は、トランスミッター部分を取り外して、トランスミッターは新たに別シャーシで製作中、こちらのシャーシはモノラルアンプとなっています。
さらにギターアンプにしてみようと製作中です。直にギターを繋いでみましたが、あまりにも音量不足...
チュープブースターを介してギターを弾くとオーバードライブ的な感じになります。そこでもう一段プリ菅を付けて増幅してみようと考えています。
題して「オールST管ラジオ球真空管ギターアンプの製作」こんなのあるのでしょうか?
ギター真空管アンプに関心ある方は乞うご期待!!