MASTERボリューム?
5W真空管ギターアンプは、自宅練習用としては音が大きすぎる!(私が住んでいる庶民的マンションに限ります。)
前に製作したChamp 5F1 スタイルの自作ギターアンプにMASTERボリュームを付けました。
これは私の発案ではなく、参加しているFacebookグループ「真空管ギターアンプ製作センター」の主催者の林氏=師が投稿・製作したものを自分でもやってみたということです。
今までのがプリアンプ部(12AX7)を調節するGAINボリューム。
今回は、パワーアンプ部(6V6GT)の音量を調節するところをMASTERボリュームとしてつけました。
5Wアンプで必要? オーディオアンプなら必要ないでしょう。バンドやるときなら小さすぎますね。
ところが、自宅練習用だと結構大きい音なんですね。
★あともう一つ。アッテネーターというものも内蔵して切り替えられるようにしてみました。
これは、ボリュームを上げてもスピーカーから出る音が小さく減衰している仕組みです。
センド・リターンがついたギターアンプなら、外部ボリュームを通して簡単に減衰できますが。
初めての挑戦ということで。
目次
外観です。ツマミとスイッチを追加しました。
以下、すべての写真と図は、クリックすると拡大して見れます。
6V6GTがちゃんと刺さっていない!
内部配線です。
ターミナルボードでの配線は前の製作のままです。
左側面にある基板が、整流回路追加部です。
アッテネータ用のメタルクラッド抵抗が仮止め状態です。
青いラグ板はフロービスさんで購入しました。
回路図 追加・変更は7つ &各電圧
以下、すべての画像はクリックすると拡大します。(PCのみ)
Simple is Best!Champ 5F1が、こんなことに!
追加回路部分
★MASTERボリューム(250kΩ)林氏は1MΩ 220kΩ抵抗はとりあえず残しておきました。いらないかも。
★Bright(ブライト)回路(スイッチON,OFF)
★BASS BOOST回路(スイッチON,OFF)
★π型アッテネータ回路切り替え(約ー10dB)電力比:10%程度に減衰)
★CLIP(ダイオード2本で波形をクリップ)回路のスイッチ 簡易ディストーション
★電源整流回路の追加。リップルフィルター実験。
★12AX7のプレート供給電圧を上げるため、6V6GTのスクリーングリッド電圧と分けた。これも実験。
B電源と整流回路は、前に製作したアンプを参考にしました。
実体配線図
LTspice でBASS_BOOST回路とブライト回路をシミュレーション
以下、LTspice の超初心者として勉強中です。ボケ防止)なのでステップ台としてご覧ください。
このアンプには最初制作したときには、オーディオのバスコントロールを付けていました。けっこう低音が効きます。
前のchamp 自作はこちら
その後、高音も欲しくなり、BRIGHブライトスイッチを付けました。
今回欲が出て、5F1 の回路構成では付けない方がよいといわれているtreble(高音)とBASS(低音)をつけたくなりました、
それではじめの試作(失敗!) BASS-TREBLE_BOOST回路。
Fender Bassmanタイプの Tone Stackのポットを固定抵抗に取り換えただけです。
BASSとTREBLEのポットを10にしたようなものです。
実際組みたててギターを弾いてみると音量が極端に下がりトーンの変化も効果を感じられません。
最終的に、低音だけの回路BASS-BOOST回路にしました。
TREBLE部分を省略しただけです。
bright、明るいキラキラ音。コンデンサ数10pF~200pF程度をボリュームの間にいれて高域を通し低域を落とす(CRハイパスフィルターというとのこと)
ボリュームを最大にするとフラットになってしまいます。ブライト効果、キラキラ効果なしです。
LTspice で、8Ω -10dB アッテネータ回路をシミュレーション
π型アッテネータ 8Ω -10dB回路です。5Wしかない真空管ギターアンプなのに、attenuate(減衰)する必要があるの?
自宅練習用としては、結構デカい音です。なのでつけました。
アッテネータ回路は、音質が良くない、とかハイ落ちするとのことですが、初めての試みということでくっつけました。
スピーカーアウトのジャックが背面に二つあるので選びます。
計算通りに減衰しています。
8Ω ATT: - 10.3dB Vo/Vi 0.305倍 Po/Pi 0.093倍
計算? 自動計算してくれるサイトがあるので利用させていただきました。
次のフラットなシミュレーションだけで、高い周波数でのハイ落ちがどうのとは言えません。楽器音とは違います。
LTspice で、アンプ回路全体の波形と周波数帯域をシミュレーション
(トランスが違うので不正確です)
トランス直後、アッテネーターの手前でのシミュレーションです。(Gain_pot5、Master_pot5です)
オーディオアンプなら最悪状態。
ギター試奏してみて
MASTERボリューは大正解!
GAINボリュームをフルにしても気にせず自宅練習できます。
TBMトーン回路のような本格的なものはおすすめできません。プリ管12AX7 1本では一気に音量ダウンしてTONEの効きもはっきりしません。
電圧を上げてみたのはTONEのをはさんだため少しは改善されるかと思ったのですが。
まとめ
champ自作しかも5F1小出力にもかかわらず、ギターアンプのように音量を上げて引く場合、自宅練習では住宅事情があるのが残念。
今回、前に作ったアンプをいじくったのですが、それがまた自作の面白さと実感しました。
高級なアンプではできませんから。