真空管ギターアンプ

【0.2Wなのに歪み系もOK!ハイゲイン! 真空管ギターアンプ】ゼネラルトランス MGA-XU77-SE( 改 )の製作

秋葉原ゼネラルトランスの真空管ギターアンプキット(正確にはセット)第2弾は 12AX7と12AU72本で、Bassman 5F6-AタイプTONE STACK付きシングルアンプ MGA-XU77-SE 
ここでご紹介するのは、完璧なセットに いらぬ手を加えて製作したものです。
ゼネラルトランス販売株式会社 https://www.gtrans.co.jp/SHOP/271865/list.html
キットではなくセットです。真空管は別途用意します。

小さいのにハイゲインでクランチやディストーションも実現!!

プリ菅12AX7と12AU7の2本だけのギターアンプ(ヘッド)です。

パワー管(EL34、6V6GTなど)は使用していません。

なので、出力も0.2Wと小出力です。

でも、ハイゲインです。クリーンはもちろんクランチでもディストーションでも実現できます。

オリジナルキットをいじったところ(外観から)

見た目はごらんのとおり。

サイト内のすべての写真や図は、クリックすると拡大します。(PC)

 

追加・変更したところ

★丸棒取手をつけた。(持ち運び用と保護用&カッコつけ用) (タカチ製 BH-100B 黒10cm BH-110S 11cm)

★真空管シ-ルドケ-スのベ-スを付けた。(とくにシールドしなくても大丈夫。)

★このアンプ自身をエフェクターのように使える機能をつけた。(3PDTスイッチは、本来演奏中に踏むためのものですが位置から無理そう。)

★ヒーター12.6VをDC化した。(オリジナル通り、ヒーターバイアスで)(AC0.7Aのヒーター巻き線なので余裕ないかな?)

★シールをベタベタと張った。(最低でもツマミが何なのか書いてないとわかりません。真空管交換時も逆にささない用。)(透明光沢フィルム。)

★傷だらけにした。追加で開けた穴の位置が全部ずれた。

内部配線です。

オリジナルの通り平ラグ板を使った配線です。

全体な感じです。右の壁面についている平ラグが、追加したヒーターDC(直流化)部です。…必要だったかどうか??

なのでワイヤーは巻き巻きしていませんが…。

セメント抵抗8Ω 5Wのある当たりです。8Ωスピーカーを接続しないときに、同等負荷となるようにダミーとなる8Ω抵抗です。

出力トランスが2Wなので、5Wでもいいかのと。

写真で見て、スピーカーを繋ぐジャックが左。スイッチ付きモノジャックで、スピーカーを外すと、スイッチがオンとなり右のモノジャックまでダミー抵抗8Ωによってエフェクター機能としてつながります。(私も参加しているFacebookグループ「真空管ギターアンプ製作センター」の林 正樹氏の発案のものです)

3PDTスイッチあたりです。取り付け穴の位置がずれて配線がきつきつになってしまいました。

LEDランプはヒーターDC電源から3kΩ程度の抵抗いれて青く光ります。(3mmLED)

3PDTスイッチをオンにしたときLEDが点灯して、インプットからギター信号がアンプ回路内を通ります。

消灯の時は、アンプも使えません。エフェクターと同じくダイレクトにアウトプットジャックへ繋がってしまう仕組みです。「True Bypass」)

5個のポットあたりです。

サブアース母線は、このキットでは「軟銅線」です。スズメッキ線ではありません。こちらの方が、はんだ付けは楽です。が、しかし…

製作段階で先にアース母線をはったため、後でつけた3PDTスイッチあたりをいじっている間に老いた手と眼がいうことを聞かずグニャグニャに。

トーンスタック関係の配線としてサブアース母線を張る方法は勉強になります。

追加した部分の回路図と実体配線です。

オリジナル部分の回路図、実体配線図、取説は、ゼネラルトランス販売株式会社 https://www.gtrans.co.jp/SHOP/271865/list.html

からPDFで閲覧・ダウンロードできます。(組み立て説明書はものすごく丁寧です。にもかかわらずよく読まずに自己流で組み立ててしまいました。)

 

ヒーターをDC化する回路は、ぺるけ氏の「真空管アンプの素」を参考(完コピ)にしました。

またぺるけ氏のこの本を見ると、DC点火で得られる電流はAC定格の63%程度。0.7A×0.63 =0.44A 12AX7 と 12AU7 はともに0.15A なので合計0.3A。余裕があるとはいえません。

過去にオーディオアンプの300Bシングルステレオを製作して以来のDC化です。なので自分の勉強のためです。

のちにオリジナルの交流点火に戻すかも。(平ラグ板でユニット化しているので他の製作で使いまわせます)

電圧チェックです。

テスターで測定です。以下は、テスター棒の赤、黒のことです。

ヒーター電圧Ehは、真空管ソケットの4ピンに黒、5ピンに赤を当てて測定しています。

B電源のB1、プレート供給電圧Ebb  B2、B3、B4は、アース母線(grand 電位0V)に黒、B電源部の平ラグ板の各端子に赤を当てて測定しています。

カソード電圧Ekは、アース母線(電位0V)に黒、各部分に赤を当てて測定しています。

プレート電圧Epは、テスターの黒を真空管ソケットのカソードピンに、赤をプレートピンに当てて測定した値です。

 

増幅段の分け方は、見やすいよう カップリングコンデンサの前後で区切りました。

ギターアンプでは、思いっきりプレート電圧を上げていることが多いので、定格はどれくらいだったかな? と思います。

この回路で、パワーアンプ部となっている12AU7の終段は300V越え!プリ菅である12AU7がこれほどでも使えるものなんだなと思いました。。。

実際にギターを弾いてみた。 フルGAINで音出し!

GAINツマミを8~10に上げてとブーストONで弾いてみます。ギターからダイレクトにこのアンプにシールドを繋いでます。

もちろん、歪み系エフェクターをつないでません。

ただ、MASTERボリュームは絞らないとかなりの音量!!

0.2W だからって スピーカーorangeのPPC-108(8インチ口径のアルニコ JENSEN P8R  に交換) 庶民的マンションでは近所迷惑!

これぞチューブサウンド!

...と言いたいところですが、MASTERボリュームで音量を上げないと、薄っぺらな音です。(MASTER ツマミ2程度)

今度、練習スタジオでフルボリュームでやってみたいです。

 

クランチ~ディストーションを エレキギターでアンプ出力オシロ波形観察

以下、オシロスコープとオーディオジェネレーターは、ギター程度の周波数と出力Vrmsで 可視化してみただけの話です。特性を調べたりの目的ではありません。

オシロスコープは入力側にも繋いでいます。(2チャンネル)

黄色が入力信号

青が出力信号です。

発振器のサイン波形観察の前に、素のエレキギターを繋いで観察。

1弦Eの開放弦をピッキング、1秒後あたりでの波形です。減衰したところです。

GAIN7~8あたり。

観察:山谷がつぶれて平たくなったのが歪み系の特徴です。(オーディオアンプではあってはならんです。)

あと、ギターを繋いだ時のジー音があり、ノイズがのってます。

 

 

 

オーディオジェネレーター(低周波発振器)でアンプの出力オシロ波形を観察

オーディオジェネレーターの設定:サイン波 900Hz~1000Hz(1Kz)あたりでの観察です。

使用している発振器:カタログによれば、「出力レベル:5Vrms以上(600Ω負荷時)、0dB~-50dBまで10dBステップ6段のアッテネーターと出力調整ツマミで連続可変できます。」とのこと。

なので、適度に減衰してます。

昔のTRIOのと同じ風体です。GAG-810 という機種です。

★GAIN 5 MASTER 5 

クリーンサウンド

 

★GAIN 7  MASTER 5

クランチサウンド

★GAIN 7    MASTER  5    BOOST  ON

クランチ~ディストーション サウンド   

★GAIN  5    MASTER  9

クランチ~ディストーション

12AU7 増幅段からの波形も観察

★12AU7アンプだけだと(B電源のB4を外すべきですが)

MASTER ボリューム10フルでも、サイン波形がくずれていません。

この部分だけで、12AU7シングルオーディオアンプが作れそうですね。(もちろん他の周波数測定をしたわけではないので特性まではわかりません)

 

 

 

さらに12AX7の初段を除いたアンプの場合の波形も観察

★12AX7の初段を取り除いた状態では?(初段のB4を外すべきなので、外した場合は前のGEINツマミを変えながら波形観察できますが)

波形をみると(反転してます)、フルMASTERボリュームでもサイン波形が崩れていないので、ギターアンプとしてはどうなのでしょう?

 

 

★BOOSTスイッチはオンです。MASTERもフルの10です。TONE STACK はすべて5(TMBを変えると新福も変化します)の位置です。

★このままBOOSTスイッチをオフにすると

山谷(振幅)が小さくなっています。その名の通り、GAINをBOOSTしているわけですね。

12AX7アンプのみの場合 波形観察

★前段の12AX7とTONE STACK後の出力の状態は?

12AX7の増幅だけで十分にギターアンプが作れそうです。(出力トランス付けて見直す必要はありますが)

前に製作した同じゼネラルトランスさんの GA-01R https://www.gtrans.co.jp/SHOP/271865/list.htmlとどう違ってくるのか 製作して比較してみるのも面白いですね。

製作記事はこちら。

もちろん出力トランスを繋ぎます。同じ GF-02S がよいかと。

比較する場合はTONE STACKなしがいいかも。入れるならばゲインが下がりますが、TONE STACKを増幅段の間にいれてでしょうか。

★GAINつまみ5の時、(TONE TMBはすべて5)、BOOSTはOFF

★上の状態のまま、BOOST スイッチをON

エレキギターの出力信号??

ギターの周波数は、80Hzあたりから1.3kHzあたりと言われています。

試しに周波数カウンターの付いたテスターで調べてみましたが、そんなものかなー? ちゃんとした測定器でないと無理ですが。

また、倍音もあるのでどこらあたりまでやら??

エレキギターの出力信号電圧は、30mV~400mV~(瞬時には数Vあたり)

もちろんボリューム次第ですが、アタック時やピッキングの仕方、コード弾きの場合、ピックアップの種類・性能などでも変わるのでしょう。

実効値(Root Mean Square value)VrmsというのもACだからという以上によくわかっていませんが...

TONE STACKは Bassman タイプ

比較してみると、ほぼ同じです。(4.7kΩ抵抗を通してgrandに落ちているところは違います。

Marshal  JTM45は、5F6-A のクローンとのこと。

LTspice でシミュレーションしてみました。

ボリュームTMBをすべて5にした場合です。

こんどは、Tone Stack calculator で様子を見てみます。

ダウンロードサイトはこちら。

回路図のCR類をダブルクリックすると簡単に数値を変えられ保存できます。(回路図そのものは追加変更できないようです。なので4.7kΩが入っていないデータです。)

TMB すべて5の時のグラフです。

C1を250pF から 470pF に容量を増やすと1kHz付近の落ち込み(谷)が少しだけ上がっています。差と言えるかどうか?

T8、M5、B8にすると、

当然どちらも低音と高音が強調されています。ほぼ同じです。

 

Marshal JTM50 Plexi では,C1 が470pF で本アンプと同じです。代わりにR1が33KΩになています。

JTMシリーズの他については調べてませんが、Marshal の一つの典型となったようです。

Fender の一つの典型となっている TONE STACKが以下。

谷が深く、全体的にdB も低めです。(グラフで縦軸のマイナスdBは、下に行くほど音量も下がります)

実際に演奏してみないわからないのは当たり前ですが、ドンシャリ状態がより強調されるのでしょうか。

自作アンプする場合、Champ5F1 のようにプリ菅12AX71本でパワー管6V6が1本の5Wシングルアンプに、TMBフルのTONE STACKを入れると残念な結果になりそうです。

 

 

余談ですが、ゼネラルトランスさんの実体配線図をみると、回路図上のBASSポット2と0.022μFの接続、MIDポット2の0.022μFの接続とが見た目が逆に配線されていると思いました。

最初はミスかと思いましたが、逆に配線しても、同じ0.022μFだし56kΩから枝分かれしているところも全く同じことでしたね。

逆にした理由は配線が交差しない(近い)ということでしょう。(コンデンサ容量が違っていれば逆には配線するとミスになります。)

使用した真空管は、日本の中古品。 健在なり!

12AX7と12AU7は、数本持っていますが、ほとんど中古品で、自作のたびに使いまわししています。

その中でも、ノスタルジーを感じるのが日本製真空管。

今回は12AX7A が日立、12AU7がNEC (Aの付いた12AU7AのSYLVANIAに替えました)

 

子ども時代に、自宅に真空管ラジオと真空管テレビがあった世代です。

近所の小さな電気屋さんにも日本の真空管がたくさん置いてあって、電球を交換するのと同じくらいの感覚で買いに行った思い出があります。

交換して音の違いなどを楽しむこともかんたんですね。しかし最近はエレハモやJJでもいいのですが、現在は高騰しています。

わかる範囲でなのですべてのメーカーのものが以下である保証はありませんが、

12AX7Aと12AU7A  の最大プレート電圧Epは330V

12AX7と12AU7 の最大プレート電圧Epは300V 

つまりこのアンプではパワー段の12AU7はAがついているものの方がよい~~なので上記のNEC 12AU7 はすぐに交換しました。

ヒーターバイアスHBって何?

ヒーターが起因するハムノイズを解決する方法として使われます。

~~と言って私は一度もやったことがありません。今回初!

フロービス http://www.furo-visu.com/  さんの製作例で見かけたことがあっただけで。

なぜヒーターハムを低減できるのか?

いろいろと調べてみましたが、イマイチよくわかりません。

「ヒーターカソード間耐電圧」がうんぬん・・・最大定格があって・・・???とか説明がたくさん見つかります。

HK間漏洩電流が無視できない場合があって・・・???

とりあえず、今の知識レベルの自分が納得するために「HK間漏洩電流が無視できない場合」というところから、中高の理科レベルで理屈づけしてみました。

ので他言無用で。

HK間漏洩電流が無視できない場合は、ヒーターハムノイズが大きい!

ヒーターは名前通り熱くなることでカソードから熱電子がでてグリッドに邪魔されながらプレートに向かっていきます。

順調にカソードからの熱電子がでるだけならいいのですが、なんとヒーターからも熱電子が出ています。(直熱菅と呼ばれる真空管 2A3 や300B などはカソードがありません。)

熱電子がカソードへと飛んでいきカソードの中に入っていしまうことがあると、その熱電子数の移動増減の度合いによっては発生している電磁波がノイズと認識できるレベルになってしまことがある。というわけだと考えました。

解決方法は?

カソードに熱電子ができるだけ飛び込まないようにする。

カソードに流れても、アース地点まですみやかに流してやる。

そこでヒーターバイアス(HB)です。

あとは図をご覧ください。

以下、電位と電圧の違いは、電位の差、電位差=電圧 ということです。

ヒーターの片方をカソードにつなぐことで、カソード電圧Ek の分だけ、電位の始まりが持ち上げられます。

そうすると、ヒーター電圧 の分だけカソード電位よりヒーター電位が上がります。(プレート電位ははるかに高いので無視できます)

電子は、電位差ができると、低い電位から高い電位に向かって移動しますが、ヒーター電位の方がカソード電位より高いので、ヒーターの熱電子はカソードに到達できなくなる。

うんぬん~~~~~~~~~

一つ疑問が?? カソード電圧がヒータ電圧(6.3Vか12.6Vが多い)より高いとヒーターバイアスしなければならないことになってしまうが、そうでない例もたくさんあります。

タマによるということでしょうか? あとヒーターを直流DC化した場合はヒーターバイアスする?

交流ACヒーターに対してカソード電圧DCを印加する?(交流の特徴である電圧の周期的変動に直流電圧(一定)が加算されるとかさ上げ状態になっているということ?(オシロにあるAC・DCみたいなもの?)

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今回はここまでしかわかりません、日々これ実践と勉強。

 

まとめ

今回もキット(セット)に改造というほどではないですが、手を加えました。一番の問題点は自分ではヒーターDC点火。電源トランスのヒーター定格電流に対して余裕がないこと。

オリジナル通り、交流点火でヒーターバイアスして、後はしっかりとネジネジ巻きしておけばよいでしょう。

それにしてもパワー管は使っていないとは言うものの、プリ菅2本だけで真空管ギターアンプのだいご味を自宅で味わえます。自作したい方にはおすすめです。

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